天神川(岐阜市)<モニタリング編>
平成27年5月22日 魚道ブロックを自作。
平成26年に整備した天神川の魚道。。。その後の遣り残しがずっと気になっていたのですが、ついに完成形を目指した作業がスタートしました。
5月22日に、岐阜県自然共生工法研究会の環境修復WGの活動の関係で、WGのメンバーであり某コンクリート2次製品メーカーにお勤め坂井さんと坂井さんの会社の若者、研究室の野田君と末松君とで、天神川魚道の、最下段と上流側について現場で検討し、現場設置(6月5日を予定)に向けた準備作業を行いました。
①最下段の魚道ブロック
最下段については、下がコンクリートの平滑な土台でしたので、それに合わせて高さや形状を決め、結局、ハーフプレキャストの魚道ブロックを製作しました。
現場持込用に4分割できるようにしました。
底版と、隔壁が3つに分割でき、底版から出した8本の鉄筋と、隔壁ブロック同士の凹凸で一体化します。
現時点では、底版と隔壁の間にビニールシートを入れて分離しつつ、底版から出した鉄筋にホースを巻いて、くっつかないようにしています。(2次製品ブロックのやり方)
固まったら、ホースを引き抜いて、分解できるようになります。
(*ちゃんと分解できました! 後日写真をUPします。)
当日現場に搬入し、組み立てた後で、鉄筋穴に早強モルタルを流し込んで結合します。逆T型の構造とし、基礎を周囲の土砂に埋め込んだ形になることと、洪水時には水あたりにならないので、流出の危険はほぼないと判断しています。
②上流側水通し部の隔壁
水通し部に削孔、差し鉄筋し、10cm高さの建築ブロックを並べ、中詰めのコンクリートを現場打ちして仕上げます。
油粘土で止水して、隙間からコンクリートが流れないようにします。
平成27年6月5日 魚道整備の続き。
ろしました.はじめは困難かと思われていましたが,スムーズに降ろす事に成功しました(写真1)
落差工水通し部のコンクリートにインパクトドライバーで削孔しました(写真2).
最後は坂井さんの職人芸により,ブロックが完全に一体化!導流壁の完成です(写真3)!
コンクリートでそれぞれを接合し,本体の完成(写真5)!
しました(写真6).
もともとの魚道の落差よりは幾分か低くなり,魚道の機能が向上したのではないでしょうか!
藤田先生に閉めのお言葉を頂き,本日の活動は閉幕しました(写真7).
平成27年7月某日 魚道ブロックに隙間が…
6月に整備した魚道ブロックに隙間ができ、最下段プールの水位が下がってしまっているようです。
なんとかしないといけませんねー。汗)
平成27年9月23日(祝・水) 魚道ブロックの改良作業を行いました。
WGメンバーの宮川さん、坂井さん、原田、岐阜土木事務所の池上さんに立ち会っていただきまして、最下段ブロックの修正を行いました。
本日の作業目標は3つ。
課題①:ずれた最下段の魚道ブロックをもとの位置に戻し、再度ずれないようにする。
→既設コンクリート斜路に削孔し、差し鉄筋で止める!
課題②:最下段ブロックと水面の落差が大きいので、落差を是正する。
→チゼルと石頭ハンマーで削る!
課題③:最下段ブロックと壁との隙間からの漏水を止める。
→軍手土嚢(←コレ新技!)とシリコンシーラントで止める!
作業前の状況。6月に追加した、最下段ブロックがずれて、水がもれて、機能停止中…
いったんブロックを外して、課題②に対応するため、チゼル(のみ)と石頭ハンマーで水通し部の高さを下げます。
作業中の写真がないのですが、右側に見えているコンクリートの斜路の脇に、深さ5cmほどの孔を10mmドリル+電動インパクターで削孔し、そこにD10鉄筋を差して、固定してます。
さらに、ブロックのと壁の隙間に、軍手土嚢(軍手に土砂を詰めたもの)とシリコンシーラントを併用して止水しました。
設置した状態で、水通し部の調整を行いました。「水を流しながら、魚道越流部の形状を微調整」なんて、普通やれませんよね!
魚道を囲むように、そして呼び水効果が得られるように、玉石を配置して、本日の作業は終了!
とはいえ、下流側の水嵩が低く、最下段魚道ブロックに魚がジャンプするには、水深が足りません。こればっかりは、われわれの力ではどうにも。
下流側の水深があと5cmくらい深ければ、ジャンプしてあがれそうな感じがしました。
おつかれさまでした~。さて~、仕事仕事~。