金地川(不破郡垂井町)<実践編>
垂井町さんの浚渫工事 平成27年5月21日
すっかり堆積した土砂を一旦リフレッシュすべく、垂井町さんが発注した工事で浚渫作業が行われました。
ホタルの幼虫が陸に上がってサナギになるのを待ってからの工事、とのことでした。
現地には、平成20年頃に岩盤を掘削した窪みが3つあるのですが、そのうち下流側2つは計画通り掘削し、最上流のひとつは、環境修復WGで検討した「山地河川っぽい河川地形を復元」するための試験施工区間として、あまり掘らないで残してもらいました。
掘削前。
掘削中。
掘削中。
掘削後。施工業者さんからいただいた写真。
第2回現地検討会 平成27年7月24日
簡易な石組みのRock Weirづくり
この区間の河床勾配はもともと1/20くらいの急流区間であり、ビオトープでは上流から流れてくる土砂が堆積し、深みが埋まってしまう状況でした。(当たり前ですよね・・・)これに対する改善策を、今年の4月に、岐阜県自然共生工法研究会で検討しました。検討の結果、この区間の河道特性にみあった河川地形を簡易な方法で復元し、それによる瀬淵構造が保たれるようにしようということになりました。
そして本日、簡易な石組みで、礫列*(れきれつ,Transverse rib)風の構造物を、人力施工してきました。
類似の工法として、瀬淵工(土木研究所)、石組み落差工(故・福留修文氏)、Rosgen Cross-Vane(David Rosgen)、Rock Weir(USDA, WSDOTなど)があります。
あらかじめ、室内でレクチャーをしまして、北米の捨石っぽい構造物や、日本の石組みっぽい構造物を見ていただきまして、素人集団である私たちとしては、「石組みと捨石の間くらいの堅牢さ」を目指して、Rock Weirを施工しました。
県関係者や民間技術者だけでなく、地元住民や垂井町職員さんも含む30名以上の参加者がありましたので、2班にわけ、それぞれ1基づつ施工してもらいました。
すると面白いことに、、、
↑県職員、コンサルを中心としたチームのほうは、なんとなく北米の捨石っぽい構造に・・・
↑施工業者さんが中心となったチームのほうは、かっちりとした石組み風に仕上がりまして、
プロの技をまざまざと見せ付けられました!
最終的にこんなんなりました!
米国の技術基準書にあるRock Weirに、故・福留修文さんの石組み技術をミックスしたような構造物です。
もし、今後これらがもちこたえてくれれば**、出水の度に上流側に土砂がたまり、
直下流が淵として残って、安定してくれると思います。
実作業は1時間弱。みなさん、おつかれさまでした!
↑1号機、2号機、それぞれ作った人たちで記念撮影!
↓最後はみんなで!
*「礫列」って何だ?という方は長谷川先生の書いたこちらの解説をごらんいただくと良いでしょう。
**なお、この場所、幅を広げすぎたことが問題であったわけですが、幅が広いおかげで、出水時には水の流れが広がって浅くなるので、石組みに作用する流体力が減少し、石組みにとっては安全側に作用します。
そのようなことで、持ちこたえてくれるんじゃないかと思います。